意識高い系のブログ

Negiccoにハマった人のブログ。Negiccoその他アイドル、文房具など色々書きたい。

Negicco「ティー・フォー・スリー」を聴いて

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ついにNegiccoの新作がドロップされた。
 
といっても発売からだいぶ経ち、好事家たちからの高い評価を目にし、私なんかが今更レビューのようなものを書くのは気が引ける。それでも、Negiccoについては「何か言及したくなる」思いに駆られるからダラダラと書いてみようと思う。
 

 

シティポップスとか渋谷系の観点から感想を綴ることはしない。というかできないし、すでにちゃんとしたライターさんや、その手の音楽に造詣の深い人による文章が多数出回っている。 ちゃんとしたレビューはそういったものを読んでもらうことにして、これから書くことは素人の書く駄文だと思って読んでみてほしい。だからタイトルも小学生の読書感想文のタイトルみたいにしてみた。
 
ティー・フォー・スリーはMelodyPalette、Rice&Snowに続く、オリジナルフルアルバムとしては3枚目となる作品である。前作リリース後に発表されたシングルは「ねぇバーディア」「圧倒的なスタイル-NEGiBAND ver.-」「矛盾、はじめました。」の3作。さらには「土曜の夜に」が先行シングルとして7インチ盤のみという形でリリースされている。これらの中からは5曲が本アルバムに収録されている。(未収録なのは「圧倒的なスタイル-NEGiBAND ver.-」「楽園の休日」の2曲)。ただし、おやすみに関してはアルバムバージョンとなり、別アレンジであり、またボーカルも新録されている。
 
アルバムのコンセプトの一つに、Negiccoメンバーと同年代の女性たちにも響く内容である」ということがあるようであるが、残念ながら私の周りに20代半ばくらいの女性はいない。したがって、狙った層にしっかりと届いているかはわからない。いや、いたところで今回の作品は全然「積んで」いないから配布芸ができない。(そもそもCDは貸すものであって配るものではないんだよなあ。 私ったら、アイドル界隈にだいぶ毒されていることよ。)
 
アルバムは「ねぇバーディア」でスタートするがこの曲が唯一と言って良い、所謂「アイドルソング」的な楽曲で、最近でもライブのラストで盛り上がるアンセム的な存在。作曲はレキシの池田貴史が手がけているため、ファンクのオマージュに溢れた楽曲ではある。
 
とか書いてみて、もうやめだやめだ。とにかくこの作品、素晴らしいよ。
 
音楽は流行り廃りがあって、数週間も聴いていればどんなにいい曲でもいつかは飽きるのが大半だと思っている。つまりは消耗品。
 
だから、通勤通学のときにウォークマンを取り出し、「さて何を聴こう、あの新曲も、もう飽きてしまったしなあ」と思うこともしばしば。
 
そんな時に、ふとプレイボタンを押してしまうような作品が皆さんにもあるのではないだろうか。
 
何が言いたいかというと、私にとって「ティー・フォー・スリー」という作品がそういうアルバムに、間違いなく、なったということ。
 
私が「迷ったら聴く」アルバムというと、踊れるような曲もあり、泣ける曲もある、バラエティーに富んだ作品でありながらも、全体としてホッとするようなものがそうなる可能性が高いのだが、「ティー・フォー・スリー」はかなり高い水準でこれを満たしている。
 
以降、個人的に好きな楽曲を挙げていく事になるが、まずは、「マジックみたいなミュージック」。共演経験のあるMagic, Drums & Loveというバンドが編曲を担当しているが、もろに70年代の「どこかで聴いたディスコ・ミュージック」。もうね、こういう楽曲が自分のウォークマンの中に増えていくだけで幸せなんだ。
 
続いて「Good Night ねぎスープ」。個人的には最近だと、SALUの「 In My Face」とか、さかいゆうの「SO RUN」のプロデュースで馴染み深いmabanuaが作曲。彼らしいシンプルなヒップホップトラックに力の抜けた、気怠い3人のボーカルが乗っかり、ゆったりとした空間が広がる。
 
本作を語る上では欠かせない「江南宵唄」。楽曲提供しているSpangle call Lilli lineについて、これを機に少し彼らの楽曲を聴いてみたけれど、最近の曲は私の貧弱な音楽遍歴の中ではBon Iverなんかと一緒に聴くと良いかなあという空気感。ただ、基本的にはいわゆるアルタナティヴロックで、ボーカルは浮遊感のある女声。「江南宵唄」もSCLLの作家性が色濃く表れたような楽曲で、歌唱もハスキーで明らかに他の曲と歌い方を変えている。
 
「カナールの窓辺」は楽曲的には本アルバムのトラックリストに並ぶ事によって、よりNegiccoが歌う必然性が増しているが、「江南宵唄」からの流れだと、とくに可愛らしさいっぱいのMeguの歌い方が違和感を覚えなくもない。
 
「矛盾、はじめました。」は今のところ今年ベストソング。楽曲、歌、歌詞、歌唱、全てが完璧。彼女たちにとって、まさしく等身大で、今のNegiccoにピッタリの楽曲。さかいゆうがセルフカバーしたのを聴いて、「それみろ、やっぱりNegiccoが歌うべくして出来た曲だよな」って言いたい。ちなみに、さかいゆうのアルバムリリースイベントで私は、彼に「素晴らしい楽曲をありがとう。」とお礼を言っておいた。それだけに、この曲のリリースで爆発的なブレイクを果たせなかったのが無念でもある。
 
Negiccoに今までになかったタイプの楽曲を取り上げる形となったが、それは単純に私がそういった曲を元来好んできたから。とはいえ、こうした「今までやらなかった曲」にも関わらず、「必然性」を感じるほどにすっぽりと彼女たちのディスコグラフィに収まってしまうのが素晴らしいし、そこに至った13年間の活動に対してはリスペクトしかない。
 
あとは、どうやって、どこにNegiccoの音楽を伝えるかだ。アイドルでありながら、こういう曲を歌い、なおかつ武道館を埋める売り方ってあるのだろうか。NHKホール公演であれば、本作を軸にバンド編成で「聴かせる」ステージになるであろう事が容易に想像できる。現時点でもそれなりにチケットも売れているようだし、みっともなくない程度の客入りは期待できそうである。
 
しかし、その先の武道館、そしてさらにその先は。あらゆる層を巻き込めないと駄目だ。
 
  • アイドルなのに曲が良い。
  • 曲が良いのに歌ってるのはアイドル。
  • 普通に良い曲。
  • こういうアイドルもアリだよね。
  • 可愛い。
  • もはやアイドルじゃない。
 
もう、何でも良いからアルバム聴いてさ、ライブに来て欲しい。