Lyrical School "ワンダーグラウンド" レビュー
今更感満載なのですが、三人祭を一緒に行ってくださった方からリリスクのCDを頂いたので、お礼もかねてレビューします。
Lyrical Schoolの最新シングルは、カップリングも含めて夏の終わりにピッタリなので、本当に「今更」な感じですね。
1. ワンダーグラウンド
作詞はLITTLE(KICK THE CAN CREW)、作曲をSUIが手掛ける表題曲。曲調は80年代4つ打ちディスコで、ギターのカッティングがアクセントになっていて、世界的なソウル、ディスコ回帰の流れを汲んだトラック。ただしそこに乗るラップはエモい。特に、1ヴァース目で
今夜自由になって
大丈夫12時になっても
とけない魔法かけたから
楽しもう今日は今日だけだから
と歌いつつ、2ヴァース目では
私たちはティンカーベル
じゃないってとっくに知っちゃってる
とラップしているが、これが共に大部さんによる歌唱というのが泣かせる。全体的に、いつまでも続くおとぎ話に思えるこの現実も、やがては終わってしまう儚さと隣り合わせだというメッセージを感じとってしまう、そんな曲。しれっとRhymesterの引用も入っている。
2. Avec Summer
作詞はDonald Trample、作曲は岩渕竜也。こちらは「ワンダーグラウンド」よりBPMを落としたメロウなトラック。トークボックスがアクセントになっている。「ワンダーグラウンド」では6人6様のフローで、バラエティに富んだラップだったが、こちらは小節の終わりできっちり韻を踏んでいくスタイルが主体になっている(頭や中間でも結構細かく踏んでたりもする)。
ある意味「ワンダーグラウンド」の続編的なつくりで、終わりが来るのを承知で、それでも今を精一杯楽しみたい、そんな願望がにじみ出る。メンバーは(アイドルとしての話はおいておいて)皆若くて何事にもチャレンジできる、いってみれば「人生の夏休み」を送っている。しかし、それも終わることを考えないといけない時期がやってくる、しかもそう遠くはない未来で。そんな哀愁が感じられる。
個人的には「Avec Summer」のようなメロウなトラックにオーソドックスに韻を踏むラップが乗った曲が好きです。アイドル甲子園やリリイベで観る限り、ファンの種類がNegiccoのそれとかなり違うので、現場に行くハードルは高いのですが、楽曲は良いのでもっと売れて欲しいと思います。